6月15日「テロ等準備罪」の強行採決を受け緊急声明を発表しました。

 共謀罪強行採決に対する緊急声明  
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6月15日朝、政府与党は「テロ等準備罪」と名称を換えた「共謀罪」法案を参議院本会議で強行採決し、可決・成立させました。参議院法務委員会での審議時間はわずか17時間50分、委員会審議を尽くした上での委員会決議を省き、「中間報告」という異例の手続きと夜を徹した本会議で議決をする、議会制民主主義と参議院の存在意義を蹂躙した今回の蛮行に対し、私たち市民ネットワーク千葉県は断固として抗議します。
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参議院法務委員会での審議における政府側答弁は、相変わらずの迷走とはぐらかしの連続でした。本法案への疑念と懸念は増大するばかりです。「国連国際組織犯罪防止条約の締結に不可欠」「オリンピック開催に必要なテロ対策」と繰り返された立法事実が欺瞞にすぎないことは多くの専門家が指摘しており、当該条約の「立法ガイド」作成に関わった米ノースイースタン大学のニコス・パッサス教授も「当条約はテロ対策ではない」と明確に批判しているところです。
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当初676であった対象違反罪を「277に絞り込んだ」と喧伝されましたが、その絞り込みの基準についての合理的な説明は一切ありませんでした。「テロ」にも「凶暴」にも関係せず、国連条約の本来の目的である「悪質な犯罪の防止」の観点から見て異質な犯罪が多数あり、逆に当然対象となるべき政治家や大企業が関与しやすい犯罪が意図的に外されているのです。
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そして最大の関心事といえる「一般人が対象となるのか」についても、納得のいく説明は皆無でした。「一般人は対象とならない」と首相と法相が紋切り型の答弁をする一方、「操作対象に制限はない」「嫌疑が生じた段階で一般人ではないと判断される」と関係閣僚は断言しました。しかもその「嫌疑」の判定は一義的に捜査機関が行うと明言されているのですから、「警察権力の拡張ではない」などという答弁を信じられるはずがありません。
犯罪の実行行為がなくても処罰できる「共謀罪」の誕生により、私たち市民や団体の活動は日常的に監視される可能性が出てきました。これは日本国憲法が保障している主権者のさまざまな自由や権利が根本的に侵害される事態を引き起こすでしょう。今回の「共謀罪」法案と「憲法改悪」は表裏一体のものです。
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私たちは、このようないい加減な審議で数の力を恃みに成立した「共謀罪」法により、互いの信頼性が犯される息苦しい監視社会がつくられることを認めません。思想信条の自由、表現の自由をはじめとした基本的人権の一方的な侵害を許しません。私たち市民ネットワーク千葉県は、今回の「共謀罪」法案強行採決に改めて強く抗議するとともに、本法の施行がされてもけっして萎縮することなく、平和、人権、環境という人間として当然追求していくべき権利のさらなる拡充に向けて、これからも活動を続けていくことをここに表明します。
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2017年6月15日
市民ネットワーク千葉県 共同代表 入江晶子   五十嵐智美  まきけいこ
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共謀罪強行採決に対する緊急声明