4月12日復興大臣の辞任を求める声明を発表しました。

復興大臣の辞任を求める声明

「国の責任を放棄し、原発事故被害者の切り捨てを公言した復興大臣の辞任を求めます」
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報道されているように、今村雅弘復興大臣は、4月4日の記者会見において、東京電力福島第1原発事故の自主避難者に対する住宅無償支援が3月31日で打ち切られたことについて、国側の責任に関する見解を問われた際、「自主避難者が福島に帰れないのは自己責任」「裁判でも何でもやればいい」と回答しました。さらにその発言を追及するジャーナリストに「うるさい!」「出て行きなさい!」とまで発言しました。
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福島県外にいまだ避難している約8万3000人のうち、3月末に住宅支援を打ち切られた自主避難者は2万6000人余りとされています。「自主避難者」にとってほとんど唯一の支援であった借り上げ住宅支援の打ち切りは、当事者の生存権すら奪いかねない重大な問題です。この問題について、区域外避難者ら16団体が提出した8万7千を超す署名については「確認していない」との回答に続いての上記の発言は、担当大臣としての責務も果たしていないことを露呈させ、さらには政治家としての資質と人格すら疑わせるものです。それだけではなく復興庁をはじめとした被災者救済の責任省庁ひいては政権そのものの性格と、国としての責任の放棄を露わにしたものとして看過することはできません。
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そもそも、福島第一原発大事故の責任は一義的に東京電力と原子力政策を推進してきた国にあります。2012年制定の「原発事故子ども・被災者支援法」にも国の責任が明記され、「居住・避難・帰還」のいずれの選択においても、国が支援を行うというのが同法の趣旨です。にもかかわらず、国は、住宅支援の打ち切りとその後の責任を福島県と避難先自治体に丸投げしたままです。4月4日の記者会見でも、支援法の趣旨を無視した責任回避の回答が続きました。大臣も復興庁も自主避難者の実情を把握しようともしていないのです。
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事故から6年が経過しました。昨年来露骨になっているのは「無理にでも復興」「無理矢理帰還」の流れです。6年を経ても「緊急避難」としての運用がなされている年間線量20ミリシーベルト以上の帰還困難区域が広がっています。しかし、昨年8月末の政府方針発表以来、役場周辺などを集中的に除染するだけで、「放射線障害防止法」に基づくならば「放射線管理区域」であるべき「年間5ミリシーベルト」を超える地域の「避難解除」が相次いでいるのが現状です。同じく「放射線障害防止法」に基づく被ばく線量限度「実効線量年間1ミリシーベルト」を大きく逸脱する地域に、子育て中の家族、若年層が「帰れない」と感じるのは当然のことです。
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それを「自己責任」と切り捨てるのは、被災地の現状を意図的に隠蔽し、原発事故さえなければ、故郷を離れ異郷での困難な生活など強いられる必要もなかった避難者の生活と想いを蹂躙する許しがたい行為です。そして、こうした暴言を許す背景にある、事故そのものと被災者への責任放棄、原発政策推進を強行する現政権の姿勢を私たちは断固として糾弾します。
今村大臣は、後日4月4日の会見時の態度を謝罪し、「自己責任」発言を撤回しましたが、発言の内容そのものを撤回したわけではありません。安倍首相も「謝罪しているから辞任の必要はない」と国会で明言しました。真の意味での反省も被災者支援の強化の方向も感じられません。
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私たち市民ネットワーク千葉県は、自主避難先での子どものいじめ問題などにうかがい知る、声を出すことも困難な自主避難者に「寄り添う」べき担当大臣としての責任も見識も皆無である今村復興大臣に対し、発言の完全な撤回と自主避難者への真摯な謝罪を求めます。そして適格を欠く復興大臣の職を即刻辞すことを、強く求めます。

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2017年4月12日
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市民ネットワーク千葉県  共同代表  入江晶子/五十嵐智美/まきけいこ