5月24日、岩屋毅防衛大臣は、陸上自衛隊が導入するティルト・ローター機「MV-22 オスプレイ」17機すべてを陸自木更津基地に「暫定配備」すると表明しました。

同日に行われた木更津市への説明においては、あくまでも「選定」であって、木更津市からの「了承」が得られて初めて「決定」となるとのことです。しかし実際に17機分の購入費3600億円は支払い済み、すでに5機は納入され米国内での飛行訓練を行っているところであり、2021年度末までに17機すべてが日本に輸送される計画となっています。本来の配備先である佐賀空港での受け入れ交渉が難航している中、オスプレイ部隊の新編も本年度内に予定されていることから、木更津基地への配備は既定の事実と判断せざるを得ません。

私たちが懸念するのは、まず第一に世界各地で重大事故を起こしている事故率の高いオスプレイの安全性です。普天間基地所属の24機のうちすでに2機が墜落大破、死者3名を出しています。残る22機のうち8機は整備不能として昨年新品に交換、同じ木更津基地内での定期点検整備に異常に時間がかかった事実は、この機種のメカニズムの複雑さ、整備の難しさを証明しているのです。

また、固定翼モードから回転翼モードへの切り替え時の不安定さもかねてより指摘され、固有の操縦の難しさに加え、沖縄県名護市沖での墜落事故で露呈した空中給油に関わる構造的欠陥も存在します。防衛省側も木更津暫定配備後の空中給油訓練実行そのものは否定していません。

防衛省の説明では、17機すべてが配備されると年間4500回程度の離着陸回数の増加が見込まれます。木更津基地周辺の「場周経路」は大半が海上の「西側」を使用すると説明されていますが、あくまでも「原則」であり、しかも240メートルという異常な低空での飛行となります。そして、全く触れられていませんが、オスプレイの訓練は木更津基地周辺でのみ行われるはずがありません。千葉県全域を含む関東・甲信越全体で行われることは、米軍所属のMV-22、CV-22の訓練実績で明らかです。私たちは木更津市民はもとより、日本全国の市民生活の頭上に危険なオスプレイが飛び回ることを認めることはできません。

そして、オスプレイ導入の「喫緊の目的」である「島嶼部奪還」という現実性皆無な空論を理由に、その「島嶼部=南西諸島」から2000キロも離れている木更津に配備をする非合理にも疑問を呈します。今回の木更津基地へのオスプレイ暫定配備は、現在たぐいまれな豊かで美しい自然環境を破壊し、地域に暮らす人びとの人間関係を分断しながら強行されている辺野古新基地建設及び陸自の南西諸島への配備強化とセットです。徒に中国との間の軍事的緊張を煽り、東アジア全域の安全保障環境を劣化させるアメリカ追随の軍事政策の一端を千葉県が担うことには、千葉県民として断固として抗議します。

防衛省は木更津市民への説明責任を果たすとのことですが、これまで防衛省からの説明責任が果たされたことは皆無です。そもそも「軍事」にともなう危険性は「説明」を受けて解消されるものではありません。

私たち市民ネットワークは、「地域から平和を」を掲げて活動を続けてきた政治団体として、今回の陸自オスプレイ全機の木更津基地「暫定配備」の白紙撤回を強く求めるものです。