沖縄県東村高江区での機動隊による住民への暴力的弾圧に強く抗議し、ヘリパッド新設工事を即刻中止することを求める声明文

 

7月22日、沖縄県国頭郡東村高江区では、2年間休止していたヘリパッド新設工事が再開されました。

1996年の「SACO合意」に基づき、米海兵隊「北部訓練場」の部分的返還の条件として、新たに6カ所のヘリパッドを建設することが決められました。すでに2カ所の建設は反対運動を弾圧しながら完了しています。政府は、残る4カ所の建設を来年3月までに完了させる方針と発表しています。

報道されているとおり、7月22日は、千葉県も含め全国から動員された機動隊500人ほか大量の警察官が、生活道である県道を封鎖し、徹夜で抗議する住民200名を暴力的に排除する強引なやり方で、工事再開が強行されました。肋骨骨折などで3人が救急搬送され、負傷する市民が多数出ました。まさしく警察権力の濫用です。

高江区は世界遺産登録も申請されている、希少生物が数多く棲み、豊かな自然が残る「やんばる」の中にあります。住民160名ほどが静かな暮らしを営む高江の集落を取り囲むように、6カ所のヘリパッドが新設され、しかも従来のものよりも大きく、事故多発で危険なオスプレイのためのものだと判明したため、区としても2回「反対決議」を挙げ、住民たちは2007年7月2日より1日も休むことなく抗議の座り込みを続けてきたのです。

その住民たちを暴力的に排除して2カ所のヘリパッドが建設される様子は、ドキュメンタリー映画「標的の村」などに記録されています。今回はそれを遙かに上回る規模の警察権力が動員され、住民・県民の意思を文字どおり「圧殺」したのです。

今回の暴挙の問題点は以下の通りです。

①政府と米軍側が繰り返す「負担軽減」は名ばかりのもので、実際は私たちが負担している税金をつぎ込んでの「機能強化された基地の新設とその恒久化」に他ならないことです。

②米軍の訓練優先で、豊かで希少な自然環境と、住民の生活の破壊が進められています。昨年2月より米軍に供応されている2カ所のヘリパッドでは、先月6月のみで、夜間の騒音発生回数が実に383回、ヘリパッド新設前の24倍となりました。児童生徒の登校困難など健康と精神面に於ける被害が顕著となっています。オスプレイのエンジンの熱風による自然林の破壊も深刻です。

③東村議会が、新設ヘリパッドの使用禁止要求を全会一致で議決したにもかかわらず、その翌日からオスプレイの離着陸を強行しました。日米両政府による住民の生活権と自治権の蹂躙が露わになっています。

④高江のヘリパッドと辺野古でのオスプレイ運用のための新基地建設は一体のものです。高江での工事再開は、現在「和解」で停止中の辺野古新基地建設再開の前触れに他なりません。実際、政府は辺野古「陸上部分」での工事再開を示唆しました。

今回の「工事再開」は、7月10日の参議院通常選挙の翌日に発表されました。沖縄県選挙区では「辺野古新基地反対」を掲げる伊波洋一氏が、島尻沖縄担当大臣を10万票以上の大差で破った直後です。これまでも日本政府は沖縄県民の民意を無視し、米軍基地優先の施策を強行してきました。22日高江で繰り広げられた「蛮行」、同日行われた、辺野古埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の「違法確認訴訟」提訴が示しているのは、安倍政権による沖縄県民の民意、生存権、そして地方自治と民主主義の圧殺に他なりません。ことは沖縄県のみではありません。全国で国の方針への異議申し立ては、同じように圧殺されることが懸念されます。

高江での住民の座り込みは、23日以降も続いています。これ以上の犠牲者を出すことは許されません。辺野古での工事再開も目前とされています。今回のような圧倒的物量をもって抗議する市民を弾圧・排除する手法が、辺野古でも使われることは確実でしょう。どのような事態になるのか想像するのも恐ろしいことです。

政府には、今すぐ機動隊による暴力的な弾圧排除を止め、住民への説明責任及び「環境アセスメント」すら十全に果たしていない高江ヘリパッド新設工事をとりやめること、福岡高裁の「和解勧告」を遵守して、沖縄県との「真摯な協議」を継続し、辺野古新基地建設工事の再開を行わないことを強く求めるものです。

 

2016年7月27日

市民ネットワーク千葉県
共同代表 入江晶子
五十嵐智美
まきけいこ

沖縄県東村高江区での機動隊による住民への暴力的弾圧に強く抗議し、ヘリパッド新設工事を即刻中止することを求める声明文