市民ネットワーク千葉県は、「「組織的犯罪処罰法改正案」=「共謀罪法案」の閣議決定に抗議し、同法案の廃案を求める声明」を発表しました。

共謀罪法案閣議決定に抗議する声明

3月21日、政府は「組織的犯罪処罰法改正案」を閣議決定し国会に提出しました。同法案は「共謀」の文言は使っていませんが、専門家も認めるとおり過去3回国会に提出されながら廃案となり続けた、いわゆる「共謀罪法案」そのものです。私たち市民ネットワーク千葉県は、2003年の初提出以来、一貫して「共謀罪」法案に反対してきました。今回の閣議決定に基づく同法案の国会提出に断固抗議し、廃案を強く求めるものです。
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本法案は、2000年に署名、2003年に発効した「国連跨国組織犯罪防止条約」の批准・締結のため必要、と政府は説明してきました。しかし、同条約はあくまでも「国境を越え」「3人以上」で「マネー・ロンダリング」などの4年以上の実刑に相当する犯罪の実行を「継続的に行う」犯罪集団を対象としたものです。にもかかわらず、今回閣議決定された法案は「国内のみ」「2人以上」を「組織的犯罪集団」とし、「テロ等」も含め「計画」「準備」段階で「共謀」として罰するものとなっています。政府は「すでに187カ国が批准している」と強調していますが、その中で「共謀罪」を新設した国は2カ国のみ、277もの「共謀」対象犯罪を設けようというのはわが国のみです。そもそも2003年に国会での批准は決議されているのです。趣旨が完全に矛盾しています。
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今回の法案について政府は、当初676とされていた対象犯罪を277に絞り込んだこと、あくまでも犯罪主体は「組織的犯罪集団」に限定していること、「計画」が存在し「準備行為」がなされることを処罰条件とすることをあげて、人権侵害などにつながるものではないと主張しています。

しかしまず277でも十分多すぎることは上述の通りです。またなぜ277に絞り込んだのかの線引きの説明は曖昧なままであり、中には一般市民も関与しうる犯罪もあります。また、法案の目的に「テロ」の文言がないにもかかわらず、条文には「組織的犯罪集団」に「テロリズム集団その他の」が付き、「その他の」は捜査機関によりいくらでも恣意的に解釈される危険性があります。国会答弁でもいわゆる「普通の団体」でも「性質が変わったと認められた場合は処罰対象」と明言されました。「性質の変化」も捜査機関が決めるのです。原発や米軍基地の問題に取り組んだり、巨大開発に反対する環境保護の活動団体も「威力業務妨害」で処罰対象団体とされかねません。
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そして、「計画」「準備行為」についても、金田法相は「メールやラインでも犯罪の合意が成立することはあり得る」「「合意」と「準備行為」の判断は捜査機関だ」と国会で明言しているのです。実際の犯罪には至らなくとも、「内心」の「合意」だけで処罰につなげる、そのためには市民生活のあらゆる局面での徹底した監視が不可欠となるでしょう。日弁連など法曹関係者が主張しつつづけている「刑法体系の変容」はもとより、息苦しい「監視社会」の強化により、憲法で保障された思想信条と表現の自由、主権者としての人権が権力者の思惑で圧殺されかねないことを強く懸念します。
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市民ネットワーク千葉県は、今回の「共謀罪法案」に反対し廃案を求める全国の市民の活動の一翼を担います。本法案の廃案を改めて強く政府に求めます。
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2017年3月23日
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市民ネットワーク千葉県 共同代表
入江 晶子 五十嵐智美 まきけいこ